Current Exhibition

Roppongi | Projects

瀧.jpg

Hiroko Masuko

waterfall

2022

pen, ink on Watson-paper, panel

116.7 x 91.0cm

Hiroko Masuko

"Becoming a Person like River Island and a Bear Human"

June 25 (Sat), - July 23 (Sat), 2022

Coming Soon

IMG_0029.jpg

アーティストコメント

 私は2020年春、岩手県北に位置する葛巻町に引っ越しました。新型コロナ感染症がじわじわと流行り始めてきた頃です。人に会ったり触れたりすることへの感覚ががらっと変容した時期でした。

 今回の展覧会では、そのような大きく変化する生活環境の中、新しく暮らすことになった土地で出逢ってしまった「中洲」、「月の輪を持つ木彫り熊」に魅了され、調査、制作してきた作品で構成されます。

 川の中に生まれる中洲。そこは、季節や天候により変化する水量によって生まれたり流されたりと常に揺れ動いている場所です。中洲の植生は、水の流れやその土地に棲む生き物たちが運ぶ種によって形成されているそうです。その土地でしか生まれない小さな中洲に魅了され、日々観察するうちに、その場所を同じ人間のように眺めていることに気がつきました。映画「キャスト・アウェイ」に登場する「ウィルソン」のごとく、中洲に人格を植え付けたのです。

大雨が降っては大きく動き被害をもたらす川を、私たちはなんとかおさめようと努力してきました。私は、形を整えようと人の手が加えられた川の形を大きな器と捉え、そこに生まれる中洲を何か人間的なものと見做して描くことを試みています。

 さて、私は2020年から2022年まで、岩手県の葛巻町で生活していました。そこで出逢った、月の輪を持つ木彫り熊に魅了された私は、その土地で作られていた木彫り熊の聞き取りをはじめました。町の人々と木彫り熊を探すうちに、「熊のお姉さん」、「熊」などと呼ばれることが増えてきました。私は「くまにんげん」になったのです。その土地で彫られていた木彫り熊を探し、真似るうちに、私はいつの間にか自身の制作も乗っ取られていきました。

中洲と木彫り熊、一見共通点など無いように思われます。葛巻町で彫られていた木彫り熊は、最初は北海道の木彫り熊を真似て彫り始められました。しかし、次第にその土地に棲むツキノワグマへと姿を変えていったのです。私は人がつくるものの土地との繋がりや、変容を見たような感動を覚えました。大きな流れの中で変容しながら、生まれたり消えたりする人間のモノづくりと、川の中の中洲が繋がったのです。

 人間と川の間、人間と熊の間、そこに身を浸しながら制作をしています。

 

2022年 増子博子

 

 

[略年譜]    
1982    宮城県生まれ
2008    宮城教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修 修了
   
[個展]    
2007    東京都庁(東京)
      中本誠司現代美術館(宮城)
      re:bridge edit(宮城)
2008    Gallery Jin(東京)
2009    トーキョーワンダーサイト本郷(東京)
      Gallery Jin projects(東京)
      六本木ヒルズ アート&デザインストア(東京)
2011    Gallery Jin Projects(東京)
2012    Gallery Jin Projects(東京)
2013    Cyg art gallery(岩手)
      ICN gallery(ロンドン)
      Sans quoi(岡山)
2014    Sake no hana(ロンドン)
2015    maze(ロンドン)
      リアスアーク美術館(宮城)
2016    Cyg art gallery(岩手)
2017    Gallery Jin Projects(東京)
      ヨロコビ to gallery(東京)
2019    studio J(大阪)
      GALLERY MoMo Ryogoku(東京)
2020    GALLERY MoMo Projects(東京)
      Cyg art gallery(岩手)
   
   
[グループ展]    
2007    「お茶にしませんか?」ガーディアンガーデン(東京)
      「アミューズアートジャム in 京都」京都文化博物館(京都)
      「トーキョーワンダーウオール2007」東京都現代美術館(東京)
      「版画みやぎ」せんだいメディアテーク(宮城)
      「ひとつぼ展」ガーディアンガーデン(東京)
2008    「@hitotsubo」ガーディアンガーデン(東京)
      「しつらい/2008」Gallery Jin Projects(東京)
      「SECRET AUCTION @ KANDADA 」project space KANDADA(東京)
2009    「版画みやぎ 2009」せんだいメディアテーク(宮城)
      「Girl's Zone 05」art jam contemporary(東京)
      「The Broom 展」art jam contemporary(東京)
2010    「winter session」Gallery Jin Projects(東京)
      「シークレットオークションpart.1」3331Arts Chiyoda(東京)
      「群馬青年ビエンナーレ 2010」群馬県立近代美術館(群馬)
      「Toyota Art Competition ― とよた美術展」豊田市美術館館(愛知)
2011    「ゲンビどこでも企画公募2011」広島市現代美術館(広島)
      「土澤盆栽」アート@つちざわ(岩手)
2013    「倉敷からの風 2013」スペース みき / クラフト&ギャラリー 幹(岡山)
      「アートフェスタいわて」岩手県立美術館(岩手)
      「夏Cyg」Cyg art gallery(岩手)
2014    「倉敷からの風 2014」スペース みき / クラフト&ギャラリー 幹(岡山)
      「Duet series vol.1 増子博子・桝本佳子」Gallery Jin Projects(東京)
      「シグセレクト」Cyg art gallery(岩手)
      「アート@つちざわ」岩手県花巻市東和町土澤地区(岩手)
      「冬Cyg」Cyg art gallery(岩手)
2015    「1462days」河北新報ビル5F(東京)
      「倉敷からの風 2015」スペース みき / クラフト&ギャラリー 幹(岡山)
      「細密アート展」新宿伊勢丹本店五階(東京)
2016    「倉敷からの風 2016」スペース みき / クラフト&ギャラリー 幹(岡山)
      「Hyper Japanesque」Jendela (Visual Arts Space)(シンガポール)
2017    「倉敷からの風 2017」スペース みき / クラフト&ギャラリー 幹(岡山)
      「ラストラン_01」Gallery Jin Projects(東京)
     「ART BOOK TERMINAL TOHOKU 2017」Cyg art gallery(岩手)
2018    「倉敷からの風 2018」スペース みき / クラフト&ギャラリー 幹(岡山)
      「草木花実は10人10色展」ヨロコビ to gallery(東京)
      「VOCA展 2018」上野の森美術館(東京)
2019    「倉敷からの風 2018」ギャラリー十露(岡山)
2020    「倉敷からの風 2019」ギャラリー十露(岡山)
2022    「移し/移り−熊景をたどる−」Cyg art gallery(岩手)
     「からっぽ/へだたり 高嶋英男  増子博子」SEZON ART SHOP(神奈川)
     「日常をととのえる」はじまりの美術館(福島)
     「地つづきの輪郭」セゾン現代美術館 (長野)
   
[受 賞]    
2007    アミューズアートジャムin京都 一般人気投票賞
      トーキョーワンダーウォール賞
      28th ひとつぼ展 入選
2010    群馬青年ビエンナーレ 入選
     Toyota Art Competition ― とよた美術展 優秀賞
2015    岩手県美術選奨
   
[パブリックコレクション]    
ピゴッジコレクション

現在開催中

セゾン現代美術館(軽井沢)にて開催中のグループ展「地つづきの輪郭 大小島真木 高嶋英男 伏木庸平 増子博子」に参加しております。

こちらも併せてご高覧ください。

 

展覧会名: 地つづきの輪郭 大小島真木 高嶋英男 伏木庸平 増子博子

会  期: 2022年4月29日(金・祝)− 8月28日(日)  

会  場: セゾン現代美術館(長野県・軽井沢)

               〒389-0111長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢2140

               TEL : 0267-46-2020   

 

関連企画

増子博子「熊と蝶(木彫熊通信:長野編)」

岩手県葛巻町で彫られていた木彫熊に出会ったことで、作品《くまんげん》が生まれました。かつて長野県でも制作されていた様々な土地をつなぐ木彫熊について、長野県に生息する生き物とも関連づけながら、会期中に作家がリサーチを行い「木彫熊通信:長野編」を発行。

 

 

 

はじまりの美術館(福島県)にて開催中のグループ展「日常をととのえる」に参加しております。

こちらも併せてご高覧ください。

展覧会名: 日常をととのえる

会  期: 2022年4月16日(土)− 7月3日(日)  

会  場: はじまりの美術館(福島県・猪苗代町)

               〒969-3122 福島県耶麻郡猪苗代町新町4873

               TEL : 0242-62-3454