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Current Exhibition

Ryogoku

Gallery show

Yuka Ohtani|Yosuke Kobashi|Tokuro Skamoto | Eisuke Sato | Katasumi Hayakawa


March 15 (Sat) - April 5 (Sat), 2025

Open: Tuesday - Saturday 11 am - 7 pm

Closed on Mondays, Tuesdays

大谷 有花
1977年神奈川県生まれ。2001年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、2003年には同大学大学院美術研究科絵画専攻を修了しました。同年、昭和シェル石油現代美術賞で本江邦夫賞を受賞し、2003年には「VOCA展2003」でVOCA奨励賞を受賞、2010年には第二回絹谷幸二賞を受賞しました。2013年から秋田公立美術大学で教鞭をとりながら活動を続けていましたが、2023年に46歳という若さで逝去しました。
当ギャラリーでは、2004年から2009年まで定期的に個展を開催し、2005年には府中市美術館での「絵画の行方」に参加するなど活動の場を広げていきました。作品には、黄緑を創造、ピンクを現実、赤を時間、白を調和、黒を可能性として用い、「キミドリの部屋」や「ウサギねずみ」のシリーズを展開しました。ウサギねずみはか弱いウサギと繁殖力の強いネズミを象徴する大谷のオリジナルキャラクターであり、自身の持つ二面性を表現していました。そういった象徴的なキャラクターだけでなく、室内、ソファー、シャボン玉、黒豹、花や器といったモチーフに対話、無意識、ピース、希望といった言葉を嵌め、ピクニック、夜、家族、風景といった事象的なものへそれらを展開していきました。3.11の震災以降は、日本人の感性や美意識を反映した黒を基調とした作品を制作しました。彼女は日本画のようなシンプルな線と黒い背景から浮かび上がる鮮やかな「花」をモチーフにした作品を通じて、見えない心を見える形にすることを目指しました。

小橋 陽介
1980年奈良県生まれ。2003年大阪芸術大学卒業。初期から続くself-portraitシリーズに加え、身近な人々やありふれた植物、景色へモチーフを広がげ、意図的に思想性を排除し、ただひたすら楽観的なだけにも見えながら、そこには境界線はなく、カテゴライズされることのない寛容性のある表現により、多様性に溢れた社会と時代を象徴する要素を感じる作品を制作しています。

初期から続くself-portraitシリーズは、小橋の代表的な作品であり、ゴーギャンのような荒々しい色彩やタッチ、またマティスが『ダンス』で描いたような柔らかな体のラインに躍動感を感じさせ、自然と一体に描かれた裸体の自画像は見る者に開放感をもたらしてきました。近年、モチーフは身近な人々やありふれた植物、景色へ広がりを見せながら、意図的に思想性を排除し、ただひたすら楽観的なだけにも見えますが、そこには境界線がなく、カテゴライズされることのない寛容性のある表現により、多様性に溢れた社会と時代を象徴する要素を感じる作品を制作してきました。彼らしい柔らかなラインや色彩の自由さは、「現代アートとはこうでなければいけない」や「社会的なテーマを取り入れなくてはならない」という凝り固まった考えを忘れさせ、絵画の喜びを思い出せてくれます。そういった作品にみられた自由で伸びやかな感覚は、インスタレーションにも見ることができ、空間全体で世界観を作り上げています。
作品は高橋龍太郎コレクション、国立国際美術館に収蔵されています。

 

阪本 トクロウ

1975年山梨県生まれ。1999年に東京藝術大学美術学科絵画科日本画専攻卒業。大学で日本画を専攻した阪本ですが、麻紙に質感の高い岩絵の具より、現代の日本的なモチーフを描くのに適した画材としてアクリル絵具選び、独自の絵画世界を切り開いてきました。日常生活の中で目にした自然の風景や人工的な構造物を等価の眼差しで見つめ、そこで繰り返されるリズムや反復、重なりや中空に美を見出し、必要な要素を抽出してシンプルに画面に再構成しています。
大学で日本画を専攻した阪本ですが、麻紙に質感の高い岩絵の具より、現代の日本的なモチーフを描くのに適した画材としてアクリル絵具選び、独自の絵画世界を切り開いてきました。初期より、日常生活の中で目にした自然の風景や人工的な構造物を等価の眼差しで見つめ、そこで繰り返されるリズムや反復、重なりや中空に美を見出し、必要な要素を抽出してシンプルに画面に再構成しています。作家が実際に目にした特定の風景や構造物であるにも関わらず、作品として浮かび上がるそれらのモチーフは具象絵画でありながら極めて抽象性が高く、見る人に既視感を持って迫り、個々の記憶の中にある風景と交差するように仕組まれています。
作品はデザイン化されたフラットな画面にも見えますが、その中に風景の温度や音を感じさせてモチーフに生命感を与え、確かな技術力に裏打ちされた表現により、ありふれた景色やモチーフを抽象絵画のように切り出して私たちの目に新鮮な驚きをもたらし、物の持つ本質と美、あるいは別のものへと想像を膨らませています。
本展では、昨年当ギャラリーで発表した個展の作品から、アーティスト自身が日常の中で見逃してしまうことが多い美しさや深さに焦点を当て、道端に生える雑草のシルエットや風景、また日常の中にある美しい建物を描いた作品を中心に展示します。

早川 克己
1970 年栃木県生まれ。92 年日本大学芸術学部美術学科卒業。早川克己は線、面、点で構成した絵画や紙を使った半立体的な作品で都市のイメージを制作してきました。また、鏡面板を用いながら「見る」こと、「見える」こと、につての思考をより深め、視覚の認知と感覚、意識や心の動きなど、より根源的な問へと考察の射程を広げた作品を発表しています。

初期作品から、絵の具を重ねた色層を電動ドリルで削り取る手法を用い、色と面、線の構成を通じて都市の俯瞰イメージとマイクロチップのようなイメージ、ミクロとマクロが交錯した作品の探求に取り組んできました。
近年では、これらの平面作品と並行して、紙を使った半立体的な作品の制作も行っており、絵の具の層や錯覚によって生まれる奥行きが実際の空間として表現されるようになりました。これらの半立体作品は、早川自身がデザインした文字、線、プログラム言語を印刷したオリジナルの画用紙を用いてミニマルに造形され、形態と空間の関係性、隙間による透過性と空間の相互作用を探求しています。脆弱で繊細な素材である「紙」を使用することで、その性質と自己との重なりを表現しています。
本展では、「見る」こと、「見える」こと、につての思考をより深め、視覚の認知と感覚、意識や心の動きなど、より根源的な問へと考察の射程を広げた作品を展示します。
『リフレクション』シリーズは、5mmと10mmにカットされた鏡面板をそれぞれに角度をつけて無数に配置し、光を受けて乱反射する画面の中、虚像と実像、不在と実在、作品と鑑賞者の関係性の考察など、「見ること」とは一体どのような経験なのか?とういう根本的な疑問を制作へと昇華させました。また、このシリーズの新しい展開として制作された『Shape of light』は、従来四角の切り取られていた鏡面版を、細長い形態に変化させ、作品全体の形も心音の波形のようさせ、平面から逸脱した鏡の光がうごめく有機的なイメージを作り出し、よりユニークで幻視的な作品となっています。

 

佐藤 栄輔
1973年大分県生まれ。2001年American University大学院修士課程終了後2002年「GEISAI4」にて村上隆氏に見出されリキテックス賞を受賞し、当ギャラリーもその特異な表現に着目して数点の作品をコレクション、その翌年には六本木ヒルズ森アーツセンター内ギャラリーに於ける「ARTIST BY ARTIST」にて紹介されました。
当ギャラリーでは2004年以降継続して取り上げて発表を続け、高橋コレクションなどにも代表作が収蔵されています。現在天領水で知られる大分県日田市で家業の林業を引き継いで生計を立てつつ制作を継続しています。
そうした環境の中で水と樹木と自分自身の存在の在りようは分かちがたく表現の根幹をなし、物心ついた日々から50年を生きた今に至る年月を、伐採した樹木の年輪に重ね合わせ、自身の存在理由を問いかけ、制限された日々の時間を削りながらその状態を受け入れ、それを糧とした生と死をテーマにした表現は、普遍性を持って鑑賞者に迫って来るでしょう。

 

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