奥田 文子

奥田文子旧作展

2022年1月29日 - 2月12日

六本木|プロジェクト

 GALLERY MoMo Projects では、大阪を拠点に活動し、現在SOMPO 美術館で開催される「絵画のゆくえ2022」に参加する奥田文子の旧作を1 月29 日( 土) から2 月12 日( 土) まで開催いたします。

 奥田は1980 年大阪生まれ、2005 年に大阪教育大学大学院を修了、同年「夢広場はるひ絵画ビエンナーレ」で奨励賞を受賞し、その後教職に就き、翌年はシェル美術賞展に入選、大阪での個展を続けながら、当ギャラリーでも継続して発表を続けています。また、昨年にはニューヨークのみずほ銀行に作品が収蔵されました。

 奥田は以前より、自身が足を運んだ旅先の風景、特に広大な海や山をモチーフの中に、人と独特の光と影を描いてきました。自然の中に描かれる人物は、その風景の大きなスケール感の中で卑小とも言える存在感ですが、シンプルに描かれながらも風景と一体化して溶け込み、自然と共にある人間の営みやありようを示しています。その描写は、奥田自身が目で捉えた実際の風景と、感性や思考という内面的で精神的な過程で濾過されてきた、いわば情景の記憶とでも言える風景となっています。

 コロナ禍で自由に旅行ができなくなると、奥田は身近な風景へと目を向けるようになりました。その風景の中に、人間を描いていくと現在の世界の大きさをより実感したと言い、人間の存在の大きさについて考えました。SOMPO 美術館では、そうした以前のように行きたい場所に行き、会いたい人に自由に会うことが叶わなくなったからこそ感じた、その感覚を残すように描いた足元に広がる身近な世界を描いた大作を中心に展示する予定です。

 現実とはかけ離れた小さなスケールで描かれた人々、木々の間から漏れる温かい光や、水に反射した光の表現はそのままに、身近な風景を折り込みながら、人の存在や周りの世界が不確かなものになるような感覚を観る者に与えます。誰もが見るような風景を描きながら、作家の目を通したその情景は観る人に新鮮で清々としたイメージをもたらし、風景に溶け込んでいくかのような感覚にさえ捕われます。

 本展では、コロナ前に制作した作品を中心に展示いたします。SOMPO 美術館での新作と合わせてご高覧いただけると幸いです。