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Line

Ryuta Otake, Tokuro Sakamoto, Katsumi Hayakawa, Eisuke Sato, Jaye Moon

Apr. 9 - May. 7, 2022

Roppongi | Projects

Line

大竹竜太・佐藤栄輔・阪本トクロウ・早川克己・ジェイ ムーン

2022年4月9日 - 5月7日

六本木|プロジェクト

Artsy

coming soon

 GALLERY MoMo Projects / 六本木では、4月9日(土)~5月7日(土)まで、グループ展「Gallery Show: Line」を開催いたします。本展では、ゲームのような非現実的な不思議な世界を描く大竹竜太、繊細な紙を使い虚像と実像を表現する作品を制作する早川克己、どこかで見たことのあるような風景を間や空間を生かし描く阪本トクロウ、自分自身が背景に消えていくようなモザイクをポートレイトの上に描く佐藤栄輔、現代アートをクリティカルな視点から捉えユーモアを交えた作品や身近な問題を暗示した作品を抽象的に制作してきたジェイ・ムーンの作品を展示いたします。異なるマテリアル、異なるテーマを用いた全く異色とも言える作家を展示し、そこから見える彼らの中の様々な「線」を感じていただければ幸いです。



 

大竹竜太



 大竹竜太は、1976年大阪に生まれ、2000年に京都市立芸術大学美術科を卒業、2002年には同大学大学院美術科絵画専攻を修了しました。大学院在学中にイギリスRoyal College of Artに交換留学を経験し、2003年の初個展を皮切りに、関西、東京を中心に個展を重ねてきました。2006年に佐倉市立美術館、2007年には広島市現代美術館でのグループ展に参加。2021年には、当ギャラリーで個展を開催しました。

 子供時代からビデオゲームが身近にあり、「キャラクターや設定を抜き出し再構築しながら兄弟と一緒にしゃべりながら絵を描いて遊んでいた」という大竹にとって、ゲームは制作の原点となっています。アニメのキャラクターのような人物画は、Mr.が描くアニメ風の美少女を思わせますが、冷たいコンクリートの壁を思わせるものがその背景として用いられ、現実感を薄めるように人物の影が歪んでいます。少女だけでなく男性を描くこともあり、その姿は少女よりも現実世界に近い服装をまとって、男性を実在するもの、女性を非現実の世界のものととらえ、対比的に描いているように感じさせられます。本展では、そうしたアニメ的な描写が多い作品の中では珍しい、現実と非現実のボーダーが曖昧でピントの合わないゲームの背景に、自分自身を描いた作品を展示いたします。



 

阪本トクロウ



 阪本トクロウは 1975 年山梨県生まれ、1999 年に東京藝術大学美術学科絵画科日本画専攻を卒業しましたが、最も作家本人に適した画材として、日本画材ではなくアクリル絵具と麻紙を使用しています。国内での個展をコンスタント に続け、作品は山梨県立美術館にも収蔵されています。近年では、海外でのフェアでも展示を行い発表の場を広げています。 阪本作品は抽象性と現実感が矛盾なく結合し、静謐な画面と空間は禅の境地 に連なるようであり、淡々と描きながら作家の思索の痕跡を見るようです。さりげない風景や対象物が見るものと等価、または超えた存在として提示され、 日本的な自然感も感じさせます。作家が日常的に生きる身近な風景を自ら撮影した写真をもとに制作され作品 は、特定された場所にも関わらず、鑑賞者は見たことのある身近な風景として 印象付けられ、描かれた風景を自らのものとして共有し共感を生み出します。 そこでは作家と鑑賞者が作品を介して交差し、同時に現在と過去が交差する場 となり、それは作家が意識的にそのように導くよう描いています。 細部まで描き込まれたリアリスティックな描写と、余分な要素を取り除き何 も描かれていない空白の画面は、フラットで日本画の要素を感じさせます。しかし、点のみで描かれた「水面」や「夜景」、また本展で展示する線とその陰影だけで石段を描いた作品「呼吸」は抽象作品のようにも見えます。



 

佐藤 栄輔




 佐藤栄輔は1973年大分県生まれ。2001年American University大学院修士課程終了後2002年「GEISAI4」にてリキテックス賞受賞、2003年六本木ヒルズ森アーツセンター内ギャラリーに於ける「ARTIST BY ARTIST」に出品、2004年以降当ギャラリーで発表を続け、作品は高橋コレクションなどにも収蔵されています。

 自分自身の存在理由を日常性の中で問いかけ、平面作品による表現は普遍性を持って見る者とシンクロし、共感を持って受け入れられて、その方法とスタイルは今も一貫して変わりません。

 家族を持ち、子供の成長と共に、自身の老いとそこに残された時間、或いは死へと向かう存在としての実存的な苦悩から、日常へのはかなさや不安が反映された作品を展示します。幼い子供を擁し庇護する存在であれば、親が自身の死を意識し不安と恐怖を抱くのは誰にも共通するもので、そのことを受容し創作に生かすことで、リアルな表現ともなっています。本展では、そうした日常にある身近な生と死、日常に忙殺され埋もれていきそうな自我を描いたドローイングを展示いたします。



 

早川 克己




 早川克己は1970年栃木県生まれ、98年School of visual arts New Yorkにて修士号を取得、その後はニューヨークのDaniel Silverstein Galleryを皮切りにヒューストンのMcClain Galleryでの個展を中心にアメリカでの制作発表を続け、08年に帰国後日本では当ギャラリーで個展を継続しています。その活動はアメリカ、スペイン、ドイツ、台湾など世界的スケールで発表を続けています。マラガ現代美術館を始め、ルイ・ヴィトンコレクション、ドイツ・アメリカ大使館などに作品が収蔵されています。

 早川は初期作品では、絵の具を何層にも重ねた色層を電動ドリルで削り取り、色と面、線の構成により、都市を俯瞰したイメージとマイクロチップのようなイメージ、ミクロとマクロが混成した作品の探求に取り組んできました。

 近年では、そうした平面作品から半立体的作品へと作品形態は移行し、平面的に表現されていた空間は実空間として表現されるようになりました。そこでは<紙>というありふれた素材を用いてミニマルに造形されたオブジェクトを並列的に、ときにはランダムに配置することにより、形態と空間の関係性、隙間による透過性と空間の関わり、その視覚的な効果を探求してきました。本展では、そうした〈見る〉こと、〈見える〉こと、につての思考をより深め、視覚の認知と感覚、意識や心の動きなど、より根源的な問へと考察を広げた作品を展示します。


 

ジェイ・ムーン




 ジェイ・ムーンは、韓国ソウル出身で、1994 年プラット・インスティチュート彫刻科で修士号を取得後、ニューヨークを中心に個展を開催し、Art in America やArtforum にて作品が紹介されるなど、多くの好評を得ました。2006 年にもポロック・クライスナー財団の助成金を授与され、2009 年にはNYFA の奨学助成金プログラム、並びにAHL 財団賞にも選出されました。2012年には韓国でCJアートスタジオレジデンシープログラムに参加。1996年からレゴを使った作品を制作し始め、2010年よりニューヨーク、マイアミ、ネブラスカなどアメリカ各地で、ツリーハウスや都市景観を描いたようなパブリックアート作り始めました。多くの人と考えを共有するため、英国、韓国をはじめ、2015年には六本木アートナイトでも同様にレゴを使って、建築や自然を象った参加型のプロジェクトを実施しました。

 近年では、そのレゴを使い、映画のスクリプトを彼女自身が考案したミニマルな言語に変換し、フロアーインスタレーションや絵画のように制作し、社会問題をテーマに作品を制作しています。現在、ニューヨークJENNIFER BAAHNG GALLERYで開催中の個展では、初期の作品からレゴでの絵画を発展させた新作も展示しています。

 本展では、自身が体験した「生と死」をテーマに制作した「Thin Red Line」の作品シリーズより、静物を意味する「Still Life」とタイトルをつけたネオン作品を展示します。死んでいるように動かない静物と死んでいる訳ではない物という両方の意味を持たせ、強い光を放つネオンがかかる壁には、その光が反射されており、生と死の両方の世界を赤い線を挟み見せているようにも感じさせる作品となっています。


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